NYのストリートで生きる少女の実体験に基づいた、
鮮烈な今、この瞬間。

ニューヨークに暮らすストリートガールの破滅的な恋を鮮烈な映像とみずみずしい感性で描き出し、見事、第27回東京国際映画祭でグランプリと最優秀監督賞をダブル受賞した『神様なんかくそくらえ』。

驚くべきことに、この映画は当時ホームレスだった、アリエル・ホームズの実体験に基づいている。若くして人生の孤独と絶望を味わい、どん底からサバイブした彼女の演技は儚くも力強く、観る者を釘付けにする。彼女は本作で本格的に女優の道を目指すことになり、次回作ではシャイア・ラブーフの相手役に抜擢されるなど話題作への出演が決定している。また、ハーリーを翻弄する恋人を『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)『アンチヴァイラル』(13)などの話題作に出演し、若手No.1の注目を集める個性派ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが好演。監督を務めたのは、インディペンデント・スピリット賞でジョン・カサヴェテスの名を冠した賞に輝いた経験を持つ新鋭、ジョシュア&ベニー・サフディ兄弟。さらに、冨田勲を筆頭に、アリエル・ピンク、タンジェリン・ドリームなど、ハイセンスな音楽が作品を彩っている。

ハーモニー・コリンやグザヴィエ・ドラン、ヴィンセント・ギャロらの作品を思わせる、生き生きとした人物描写と心を刺す切なさ。『神様なんかくそくらえ』は、若者たちの“今”が刻まれた新世代の青春映画なのだ。

愛するイリヤ、
あなたと一緒に踏み込む闇ならいい

19歳の少女ハーリーはニューヨークの路上で刹那的な毎日を過ごしていた。ホームレス仲間でもあるエキセントリックな恋人のイリヤは、彼女が生きる理由そのものだ。だから、イリヤが手首を切って自分への愛を証明するように求めたとき、すぐにその願いを受け入れてしまう。それはハーリーが自分の命を削ってでも求めようとする、もう一つの大事なモノヘロインの影響でもある。

自殺は未遂に終わるものの、イリヤは何の知らせもなくハーリーの前から姿を消してしまう。精神病棟から退院した時、友人のスカリーは言った。「あんな男のどこがいいんだよ?」確かにイリヤは最悪な男だ。ハーリーにドラッグを教え、歪んだ愛で彼女を束縛した。その事実を指摘されるとハーリーは苛立って、スカリーを拒絶する。

身体の傷よりも、心の傷の方が重傷だ。ハーリーはドラッグディーラーとして生計を立てる青年マイクと共同生活を始めるが、距離を置いたイリヤへの想いをどうしても断ち切る事が出来ず、次第にドラッグに溺れていく。